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ルイ16世が妃であるマリー・アントワネットに贈ったことで知られていますが、そもそもは彼の祖父の代の話にさかのぼるもの・・またそれは追って。
オーストリアから嫁いだマリーが、出産でさえも公にしなければならないフランス宮廷の流儀に多分に閉鎖的になっていた話もよく知られているでしょうか。彼女が子どもたちや限られた側近たちと動植物を育てながら暮らしたというヴェルサイユ宮殿の敷地内にある小さな離宮、それがプチトリアノンです。
ソフィア・コッポラの映画『マリー・アントワネット』(Marie-Antoinette)の中では、マリーがプチトリアノンにて、鶏の卵を採取したり、ハーブを摘み、自然に親しむ姿が印象的でした。やや引きこもる形でしたが・・・心のよりどころにどれだけ救いをも求めていたことか、壮絶な彼女の人生からうかがえ知れるところです。「引きこもる」=自己防衛、大いに推奨!誰しも自分のことは自分で守らねばなりません。そこでどう立ち回るかが課題でしょう。人生の勝負は最後の最後までわかりはしないのです。
ルイ14世の時代のトリアノンでは、パイナップル、コーヒー、アプリコット、チェリー、プラム、ピーチの栽培とイチジク工場の建設がありました。ルイ15世の治世には、薬用植物の王立庭園(現在のパリ植物園)の博物学者が15年かけて、サボテン、アロエ、ゼラニウム、水仙、ユダの木(Cercis siliquastrum) など約4000種類の植物を植栽したとのこと。フランス国家を上げての植物研究所さながらだったのですね。